ディスクロードなんていらない。
さーて。
昨今のロードバイクに関するおかしな潮流に抗おうという、ドン・キホーテな企画(安売りじゃなくてオリジナルのほうね)
まず第一弾はディスクロードについてだ。
ロードバイク的にディスクブレーキってどうなの? いやー、オレは要らないなあー。 だって、美しくないでしょ?
ロードバイクの美しさってのはさあ、そのネジ一本からラグのヒゲにいたるまで全てが吟味され、磨かれ、取捨選択されて、
求められるものに妥協はなく、不要なモノはこれっぽっちも使われていない、ってトコにあると思うワケなんで。
ディスクブレーキなんて余計なモンが付いてると、著しく美しさを損ねると思うワケですわ、俺あたりは。
いやいや余計ってことはないでしょ、機能部品なんだから、と言うなかれ。 必要ないものは余計ですよ。
さあディスクの利点って何だ? と問うと、ブレーキが効くことだ、と人は言うけどもだ。
いやそもそもそんなに効くブレーキって、ロードバイクに必要なのかね? 絶対制動力的にだ。
いやー、6人いるヨメで、ブレーキに不安があって改造したのって、ラムさんだけなんだよね。
8速ミラージュのはさすがに効かなくて、フネ&シューをアルテグラにしました。 トー調整できないのもあったんで。
でもそれ以外で、ブレーキの効きに不満があったなんてないよなあ。
カンパのスケルトンがアテナとコーラスとレコード、10速のコーラス、シマノは5700。 あたりを使ってますけど。
違いですか? コーラスのスケルトンはリアがシングルピボットなんで単体では効きませんが、ロックしにくいのがよろしい。
レコードはコントローラブルなのがすごい。 一度それで命拾いしてます。 ええ。 効きではなくてコントローラブルさです。
ただ、リアのデュアルピボットが効き過ぎるんで、ロックさせないように気遣ったブレーキングしないとタイアだめにしちゃうよね。
5700はシマノらしくカックン気味なんで意識しないとギクシャクしますですね。 でもまあ、ロードのブレーキングなんちゅうのは
予定してるその場所でシュッと当てる、程度ですんでそんなモンでいいかなあ、と。
いやいやMTBを見て見ろ、今どきリムブレーキで勝負になるかよ。 クロスバイクだってウエットの性能考えりゃ絶対ディスクだろが、って?
はいそうですね、それは否定しませんよ。 でもMTBやクロスはロードとはそもそもブレーキ要求が違いますから。
MTBやクロスは急停止が必要になりますんでそこが求められますが、ロードのブレーキって「予定された必要最小限の減速」ですから。
クロスでの街乗りは飛び出し注意で急ブレーキ性能は必須ですね。 中低速からの急ブレーキにはディスクはいいですね。
さてMTBとの違いは? それはスピードの増減の違いですね、MTBが圧倒的に多い。 ブレーキが重要なダウンヒルとは言いません。
クロスカントリーのコース一周、ブレーキかけてるのは10%、フルブレーキは3%くらいだとすると。
クリテリウムのコース一周、ブレーキかけてるのは2%、フルブレーキは0.2%くらいでは?
これがロードレースになるとさらに一桁低いくらいの数字になりそうですよ。
ブレーキなんかかけちゃせっかく搾り出したスピードが熱に消えちゃうんです、最小限最小限。
はい、下りハイスピードからのコーナリング、このままじゃ曲がり切れませんねえ。 じゃ、手前10mのあの辺で最小限当てて。
ライン大きく取ってできるだけ速度殺さずスムースにクリア、次のコーナーまでさらに踏みますか。 ほら、予定的なブレーキングですね。
だってロードで制動力頼みでギリギリまでブレーキング我慢して突っ込みでタイム稼ぐ、なんて聞かないでしよ?
クリテリウムで競って毎周のストレートエンドでどうしてもブレーキング競争で勝てず、順位を上げられなかった、
オレのブレーキが105でアイツのがデュラだからなんだよー! なんて泣き言、聞いたコトある?
いや、クルマやバイクだったらそういうのは日常茶飯事ですよ。
最終周の最終コーナー入り口で乾坤一擲のレイトブレーキングでインに鼻先をねじ込み、そのままゴール、っての。
ロードでそれやったらどうなるの? 最終コーナー入り口でアタマ取って立ち上がったら、ゴール前で発射台になるだけでしょ(笑)
レイトブレーキングに意味があるとしたら、せいぜい下りでコーナー一つで1m変わるかどうかの差。
とすれば上りで10m離された相手に下りきるまでに追いついて平地でドラフティング使えるようにする、か。
上りで食らい付いてきた相手を下りで10m離して、平地でドラフティング使われないようにする、位でしょ?
それもその下りにフルブレーキングするコーナーが10個あれば、の話。
朝里峠の下りでブレーキ性能で差がつくとすればせいぜい4つ。 4mならほんのちょっと足使えばチャラ、つうかドラフティング圏内。
そして絶対制動力ってタイアですからね。 タイアのグリップ能力を越えるブレーキ能力なんて、まるで意味がない。
タイアロック寸前のギリギリを使うのがレースのフルブレーキング。
だったらキャリパーで充分です、つうかキャリパーのほうが有利。 タイアに近いリム面にかけるから、限界がつかみやすい。
ディスクだとローター~ハブ~スポーク~リム~タイアですからね。 インフォメーションは鈍くなりますよ、当然。
つまりはですね。 引きは軽いけどシビアに探りながらかけないとロックしちまう、攻め切れないブレーキになるんですわ、基本。
ね、魅力ないでしょう?
さて、ディスクの利点とやらを潰したことだし、お次は欠点を晒しだすとしましょうか。
ディスクにするとね、ホイールの性能が低下しちゃうんだわ。 特にフロント。
「オイオイDENZI、知らねーのかよ。
ディスクにするとリムにブレーキ性能を持たせなくて済む分、リムが軽量化できて性能が上がるんだぜ。
外周部の軽量化のメリットも知らないようじゃトーシロもはなはだしいナア。」
なんてアナタはおっしゃる。 へー。
じゃ、ま。 どのくらい軽くなるんですか? 400g必要だったリムが350gくらいになる?
いやあ、380くらいがいいトコなんじゃないの? 坐屈強度とかリム剛性に影響与えないで落とせるとしたらさあ。
クリンチャーがチューブラーになるほどは軽量化できないんじゃない? せいぜい2way-fitがクリンチャーになるくらい。
それにリム軽量リム軽量と騒ぐけどさあ、昨今の車輪的には軽さより大事なモノがある、が傾向でしょ。
ワイドリムと25cなんて最たるもの。 剛性とグリップあるほうが速い、ってコトでしょ。 カーボンディープリムのワイド化だって、
空力向上はタテマエで、剛性と座屈強度を上げるためがホンネですからね、リム重くなっても。
ZIPPもENVEもLightweightでさえも重くなっていってますからね。
技術的に言って新しいのが重くなってるってのは、軽さより重要なモノがあるからです。 そこんとこヨロシク。
さあ、その大事な性能低下とはなんでせう。 それはね、前輪に強いねじれ剛性を持たせなきゃならなくなる、ってこと。
それとフランジ幅減少と左右スポークテンションのバラつきによる横剛性の低下。
リアについてもフランジ幅の減少から横剛性は悪化するな。
その分を補うためのスポーク部の重量増、リム、ハブの重量増。 ブレーキディスクの追加による重量増。
スルーアクスル化に伴う重量増、フォークの補強による重量増。 キャリパーによるバネ下の重量増に空力の悪化。
オイルラインの露出による空力の悪化。 マスターの追加によるブラケット部の肥大、当然空力も。 さあどうだ。
たかだかブレーキが弱い力で効くだけでこれだけの弊害があるんですよ、どーですか、お客さん。
他のトコはともかく、ホイールに関しては説明、要りますか? のむラボ日記読んでりゃ要らないけどねー。
まず、ネジレ剛性って何ぞや、って事かな? それは、ハブの動きをタイアに伝える時のネジレに対する剛性ですね。
後輪の駆動トルクはハブからスポーク介してリム、タイアへと伝わるでしょ? だからスポークのタンジェント組が必要となるのね。
でも前輪はブレーキによる減速トルクはリムにかかるから、ネジレ剛性はいらないワケ。 で、ラジアル組ができるのよね。
ところが。 ディスクにすると、そのネジレが発生するんですよ。 しかもクランク蹴っ飛ばすよりはるかに強力なネジレが。
だってそうでしょ、発進から時速30kphにかかる時間と30kphから停止にかかる時間、どっちが短い?
ブレーキのマイナス駆動力はクランクの駆動力より大きいんですねー。 つまりはそれに耐えるネジレ剛性を持たせないとダメなの。
スポーク、バデットで大丈夫? ニップルホール部の厚みがないとクラック入りますよ。 丈夫にしないと。
そしてね、左右が均一にならないの。 そう、ディスクがつくからオチョコが発生するの。 さあ大変だ。 いよいよ不均一が!
いいですかあ、ここでよれるようならブレーキのコントロール性がよろしくなくなりますからねえ。 充分なネジレ剛性を!
つうコトで、ディスク仕様の前輪つうのは後輪からフリーを取ったくらいの重量になるんだね。 ボスフリーの後輪くらいの重量、だ。
大幅な性能低下でしょ、コレは。 フォークにしたって片側にキャリパーがついてそこがよじれを発生させるんだから、よくなるハズがない。
フォークっつうのは性能の要なんでしょ? コンピューターによる解析で均等な状態になる積層を実現しましたから、って?
あのさあ、信用できないって。 逆にその程度で済むんなら、フォークとしての性能を突き詰めてない、ってコトさ。
ブレーキかけた状態とかけない状態での左ブレードの動きが明らかに違うハズなんだから、大丈夫ってこたないしょ。
それをごまかすためのスルーアクスルなんでしょって。 余計、余計、余計! あそこもここも全部余計!
これで美しいロードバイクになるハズがない! そーでしょう! みったくないべさ! カンベン願いたいっちゃーっ!!
ちうワケで、メーカーさんの目新しいモン売りたいがためのロードバイクのディスク化に激しく異議を唱えながら、
オイラはこれからもリムブレーキに全幅の信頼を置き、下りブラインドの荒れたコーナーに果敢に挑みたいと思う次第です。
いつかオーバースピードでガケ下に転落死したならば、それ見たことかと鼻で笑ってやってください。
最後に、油圧対抗ピストンキャリパーの性能を維持しつづけるのは実は大変だというコトだけをつぶやいて、ペンを置きたいと思います。
ごきげんよう、さようなら。
~ 第二弾に続く ~ ・・・・・・・・、のか? えらく疲れたんだが。
:: 追補 ::
impさんのコメにお返事しようと思って、ふと、そういや実際どうなんだろ? と思い、MAVICのサイトを覗いて笑いました。
キシリウム
カーボンチューブラー F 515g R 675g のディスク F 625g R 695g
カーボンクリンチャー F 615g R 775g のディスク F 725g R 795g
アルミクリンチャー F 630g R 845g のディスク F 680g R 855g
だそうです。 アルミで F50g R10g 重く、カーボンだと F110g R20g 重いんですね。
もちろん手抜きなくディスク専用にシェイプされたリムですぜ。 天下のMAVICさんですから、これがほぼ正解、ってこと。
F110g増、って・・・・・、どんだけ補強しないとブレーキングパワー受け止められないのよ(汗)
続いてシマノさんで比較しましょうか。 アルテでブラケット×2 と前後キャリパーで760g。
ロード用ハイドロブレーキはブラケット×2 とキャリパー×2とローター×2で、1474g。
ダブルスコア目前の714gも重く、ホイールの130gと合わせればアータ、844g増ですって。
フレームフォークの補強やスルーアクスル化が絡んだら1キロに手が届きますぜ。 重さの話だけでコレって、どうなのさ?
いやー、数字は正直です、言葉のマジックを吹き飛ばすだけの破壊力がありますねえ。
昨今のロードバイクに関するおかしな潮流に抗おうという、ドン・キホーテな企画(安売りじゃなくてオリジナルのほうね)
まず第一弾はディスクロードについてだ。
ロードバイク的にディスクブレーキってどうなの? いやー、オレは要らないなあー。 だって、美しくないでしょ?
ロードバイクの美しさってのはさあ、そのネジ一本からラグのヒゲにいたるまで全てが吟味され、磨かれ、取捨選択されて、
求められるものに妥協はなく、不要なモノはこれっぽっちも使われていない、ってトコにあると思うワケなんで。
ディスクブレーキなんて余計なモンが付いてると、著しく美しさを損ねると思うワケですわ、俺あたりは。
いやいや余計ってことはないでしょ、機能部品なんだから、と言うなかれ。 必要ないものは余計ですよ。
さあディスクの利点って何だ? と問うと、ブレーキが効くことだ、と人は言うけどもだ。
いやそもそもそんなに効くブレーキって、ロードバイクに必要なのかね? 絶対制動力的にだ。
いやー、6人いるヨメで、ブレーキに不安があって改造したのって、ラムさんだけなんだよね。
8速ミラージュのはさすがに効かなくて、フネ&シューをアルテグラにしました。 トー調整できないのもあったんで。
でもそれ以外で、ブレーキの効きに不満があったなんてないよなあ。
カンパのスケルトンがアテナとコーラスとレコード、10速のコーラス、シマノは5700。 あたりを使ってますけど。
違いですか? コーラスのスケルトンはリアがシングルピボットなんで単体では効きませんが、ロックしにくいのがよろしい。
レコードはコントローラブルなのがすごい。 一度それで命拾いしてます。 ええ。 効きではなくてコントローラブルさです。
ただ、リアのデュアルピボットが効き過ぎるんで、ロックさせないように気遣ったブレーキングしないとタイアだめにしちゃうよね。
5700はシマノらしくカックン気味なんで意識しないとギクシャクしますですね。 でもまあ、ロードのブレーキングなんちゅうのは
予定してるその場所でシュッと当てる、程度ですんでそんなモンでいいかなあ、と。
いやいやMTBを見て見ろ、今どきリムブレーキで勝負になるかよ。 クロスバイクだってウエットの性能考えりゃ絶対ディスクだろが、って?
はいそうですね、それは否定しませんよ。 でもMTBやクロスはロードとはそもそもブレーキ要求が違いますから。
MTBやクロスは急停止が必要になりますんでそこが求められますが、ロードのブレーキって「予定された必要最小限の減速」ですから。
クロスでの街乗りは飛び出し注意で急ブレーキ性能は必須ですね。 中低速からの急ブレーキにはディスクはいいですね。
さてMTBとの違いは? それはスピードの増減の違いですね、MTBが圧倒的に多い。 ブレーキが重要なダウンヒルとは言いません。
クロスカントリーのコース一周、ブレーキかけてるのは10%、フルブレーキは3%くらいだとすると。
クリテリウムのコース一周、ブレーキかけてるのは2%、フルブレーキは0.2%くらいでは?
これがロードレースになるとさらに一桁低いくらいの数字になりそうですよ。
ブレーキなんかかけちゃせっかく搾り出したスピードが熱に消えちゃうんです、最小限最小限。
はい、下りハイスピードからのコーナリング、このままじゃ曲がり切れませんねえ。 じゃ、手前10mのあの辺で最小限当てて。
ライン大きく取ってできるだけ速度殺さずスムースにクリア、次のコーナーまでさらに踏みますか。 ほら、予定的なブレーキングですね。
だってロードで制動力頼みでギリギリまでブレーキング我慢して突っ込みでタイム稼ぐ、なんて聞かないでしよ?
クリテリウムで競って毎周のストレートエンドでどうしてもブレーキング競争で勝てず、順位を上げられなかった、
オレのブレーキが105でアイツのがデュラだからなんだよー! なんて泣き言、聞いたコトある?
いや、クルマやバイクだったらそういうのは日常茶飯事ですよ。
最終周の最終コーナー入り口で乾坤一擲のレイトブレーキングでインに鼻先をねじ込み、そのままゴール、っての。
ロードでそれやったらどうなるの? 最終コーナー入り口でアタマ取って立ち上がったら、ゴール前で発射台になるだけでしょ(笑)
レイトブレーキングに意味があるとしたら、せいぜい下りでコーナー一つで1m変わるかどうかの差。
とすれば上りで10m離された相手に下りきるまでに追いついて平地でドラフティング使えるようにする、か。
上りで食らい付いてきた相手を下りで10m離して、平地でドラフティング使われないようにする、位でしょ?
それもその下りにフルブレーキングするコーナーが10個あれば、の話。
朝里峠の下りでブレーキ性能で差がつくとすればせいぜい4つ。 4mならほんのちょっと足使えばチャラ、つうかドラフティング圏内。
そして絶対制動力ってタイアですからね。 タイアのグリップ能力を越えるブレーキ能力なんて、まるで意味がない。
タイアロック寸前のギリギリを使うのがレースのフルブレーキング。
だったらキャリパーで充分です、つうかキャリパーのほうが有利。 タイアに近いリム面にかけるから、限界がつかみやすい。
ディスクだとローター~ハブ~スポーク~リム~タイアですからね。 インフォメーションは鈍くなりますよ、当然。
つまりはですね。 引きは軽いけどシビアに探りながらかけないとロックしちまう、攻め切れないブレーキになるんですわ、基本。
ね、魅力ないでしょう?
さて、ディスクの利点とやらを潰したことだし、お次は欠点を晒しだすとしましょうか。
ディスクにするとね、ホイールの性能が低下しちゃうんだわ。 特にフロント。
「オイオイDENZI、知らねーのかよ。
ディスクにするとリムにブレーキ性能を持たせなくて済む分、リムが軽量化できて性能が上がるんだぜ。
外周部の軽量化のメリットも知らないようじゃトーシロもはなはだしいナア。」
なんてアナタはおっしゃる。 へー。
じゃ、ま。 どのくらい軽くなるんですか? 400g必要だったリムが350gくらいになる?
いやあ、380くらいがいいトコなんじゃないの? 坐屈強度とかリム剛性に影響与えないで落とせるとしたらさあ。
クリンチャーがチューブラーになるほどは軽量化できないんじゃない? せいぜい2way-fitがクリンチャーになるくらい。
それにリム軽量リム軽量と騒ぐけどさあ、昨今の車輪的には軽さより大事なモノがある、が傾向でしょ。
ワイドリムと25cなんて最たるもの。 剛性とグリップあるほうが速い、ってコトでしょ。 カーボンディープリムのワイド化だって、
空力向上はタテマエで、剛性と座屈強度を上げるためがホンネですからね、リム重くなっても。
ZIPPもENVEもLightweightでさえも重くなっていってますからね。
技術的に言って新しいのが重くなってるってのは、軽さより重要なモノがあるからです。 そこんとこヨロシク。
さあ、その大事な性能低下とはなんでせう。 それはね、前輪に強いねじれ剛性を持たせなきゃならなくなる、ってこと。
それとフランジ幅減少と左右スポークテンションのバラつきによる横剛性の低下。
リアについてもフランジ幅の減少から横剛性は悪化するな。
その分を補うためのスポーク部の重量増、リム、ハブの重量増。 ブレーキディスクの追加による重量増。
スルーアクスル化に伴う重量増、フォークの補強による重量増。 キャリパーによるバネ下の重量増に空力の悪化。
オイルラインの露出による空力の悪化。 マスターの追加によるブラケット部の肥大、当然空力も。 さあどうだ。
たかだかブレーキが弱い力で効くだけでこれだけの弊害があるんですよ、どーですか、お客さん。
他のトコはともかく、ホイールに関しては説明、要りますか? のむラボ日記読んでりゃ要らないけどねー。
まず、ネジレ剛性って何ぞや、って事かな? それは、ハブの動きをタイアに伝える時のネジレに対する剛性ですね。
後輪の駆動トルクはハブからスポーク介してリム、タイアへと伝わるでしょ? だからスポークのタンジェント組が必要となるのね。
でも前輪はブレーキによる減速トルクはリムにかかるから、ネジレ剛性はいらないワケ。 で、ラジアル組ができるのよね。
ところが。 ディスクにすると、そのネジレが発生するんですよ。 しかもクランク蹴っ飛ばすよりはるかに強力なネジレが。
だってそうでしょ、発進から時速30kphにかかる時間と30kphから停止にかかる時間、どっちが短い?
ブレーキのマイナス駆動力はクランクの駆動力より大きいんですねー。 つまりはそれに耐えるネジレ剛性を持たせないとダメなの。
スポーク、バデットで大丈夫? ニップルホール部の厚みがないとクラック入りますよ。 丈夫にしないと。
そしてね、左右が均一にならないの。 そう、ディスクがつくからオチョコが発生するの。 さあ大変だ。 いよいよ不均一が!
いいですかあ、ここでよれるようならブレーキのコントロール性がよろしくなくなりますからねえ。 充分なネジレ剛性を!
つうコトで、ディスク仕様の前輪つうのは後輪からフリーを取ったくらいの重量になるんだね。 ボスフリーの後輪くらいの重量、だ。
大幅な性能低下でしょ、コレは。 フォークにしたって片側にキャリパーがついてそこがよじれを発生させるんだから、よくなるハズがない。
フォークっつうのは性能の要なんでしょ? コンピューターによる解析で均等な状態になる積層を実現しましたから、って?
あのさあ、信用できないって。 逆にその程度で済むんなら、フォークとしての性能を突き詰めてない、ってコトさ。
ブレーキかけた状態とかけない状態での左ブレードの動きが明らかに違うハズなんだから、大丈夫ってこたないしょ。
それをごまかすためのスルーアクスルなんでしょって。 余計、余計、余計! あそこもここも全部余計!
これで美しいロードバイクになるハズがない! そーでしょう! みったくないべさ! カンベン願いたいっちゃーっ!!
ちうワケで、メーカーさんの目新しいモン売りたいがためのロードバイクのディスク化に激しく異議を唱えながら、
オイラはこれからもリムブレーキに全幅の信頼を置き、下りブラインドの荒れたコーナーに果敢に挑みたいと思う次第です。
いつかオーバースピードでガケ下に転落死したならば、それ見たことかと鼻で笑ってやってください。
最後に、油圧対抗ピストンキャリパーの性能を維持しつづけるのは実は大変だというコトだけをつぶやいて、ペンを置きたいと思います。
ごきげんよう、さようなら。
~ 第二弾に続く ~ ・・・・・・・・、のか? えらく疲れたんだが。
:: 追補 ::
impさんのコメにお返事しようと思って、ふと、そういや実際どうなんだろ? と思い、MAVICのサイトを覗いて笑いました。
キシリウム
カーボンチューブラー F 515g R 675g のディスク F 625g R 695g
カーボンクリンチャー F 615g R 775g のディスク F 725g R 795g
アルミクリンチャー F 630g R 845g のディスク F 680g R 855g
だそうです。 アルミで F50g R10g 重く、カーボンだと F110g R20g 重いんですね。
もちろん手抜きなくディスク専用にシェイプされたリムですぜ。 天下のMAVICさんですから、これがほぼ正解、ってこと。
F110g増、って・・・・・、どんだけ補強しないとブレーキングパワー受け止められないのよ(汗)
続いてシマノさんで比較しましょうか。 アルテでブラケット×2 と前後キャリパーで760g。
ロード用ハイドロブレーキはブラケット×2 とキャリパー×2とローター×2で、1474g。
ダブルスコア目前の714gも重く、ホイールの130gと合わせればアータ、844g増ですって。
フレームフォークの補強やスルーアクスル化が絡んだら1キロに手が届きますぜ。 重さの話だけでコレって、どうなのさ?
いやー、数字は正直です、言葉のマジックを吹き飛ばすだけの破壊力がありますねえ。
ことロードバイクにおいてはリムブレーキって、つくづく理にかなった正しい選択なんだと思う次第でございますです。。。
by denzia
| 2015-12-02 21:49