ありがちな悲劇。
~ 聡明なる皆様におかれましては、桜餅は当然ご存知ですよね、ええ、桜餅。 繊細なる和の心が生み出した趣深い菓子です。 ~
「しくしくしくしく・・・・・・」
「これこれ娘さんや、何をそんなに泣いておるのだえ?」
「だってだって、本日のメインとなるはずの桜がこの有様。 これでは旦那様にパンパカパンに詰め込むだなんて到底無理。
でも何とかして旦那様をパンパカパンにしないことには、使えない嫁の烙印を押されてしまいます、ああ口惜しい! よよよよよ・・・・・・」
「泣くんじゃないよ、サクラぁ! ここは一つ、お兄ちゃんにまかせておきなっ! 日本人のワビサビというものを教えてやらあっ!!」
「・・・・・・・、旦那様、そのキャラずれはなにか、ヤな予感が・・・・・・はっ!!
ダメダメダメです! 私が悪うございましたっ! もう八分が五分のからっぽでもかまいませんからそれだけは堪忍してくださいーっ!!!」
「ほっとけー!!!」
「満腹。」
「この赤錆野郎が。(涙)」
~ 桜餅。 それは桜の餅があってこそ。 足りないぶんをあんこで補おうとすれば、そこに待つのは破滅。 ただのあんころ餅である。 ~
by denzia
| 2013-05-18 00:07