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世界一のコンポに官能の余地はあるか?

さて今回リンダちゃんにプレゼントしたシマノ・デュラエース9000、世界一のレーシングコンポーネントであることに異存のある人はいないと思うが、
DENZIさんには似合わないよなー、という意見が。 あの、他ならぬ本人に一番あると思うのだがw
そもそもどーしてこうなっちまったのかというお話をば少々。
いやねえ、リンダちゃんのホイールを色々してみたかったのよ。
8速カンパのラムさん除く他の四人はカンパの10,11の違いはあれどどれも付け替え可能ですからね。
ゾンダ、ジップ404、アンブロクロノ、のむラボ4号、キシリウムエリート、そしてボーラウルトラ2を取っ替え引っ換えできますが、
リンダだけはキシリウムES一択。 さびしいじゃないですか、似合いそうなディープの選択もないだなんて。
そんでまあ、シマノイレブンにしたら何とかなりそうだし。 そのうち何とかしたいなあとはずっと考えてました、が。
6800か9000かはずーっと迷ってたんですねえ。 リンダ嫁入り時から105かデュラだよなーとほざいてましたし。




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いやー、悩ましいですよねえ。 孤高(弧低?)のヘンタイと自称するDENZIさんもこればっかりは普通の皆さんと同じ。
だって倍額ですよ、倍額。 6800だったら2セット買えるんですよ、いらないけど。 
カンパだったらわかりやすい。 コーラスが20、レコードが30、スーレコが40でしょ?
基本設計おんなじで、必要充分がコーラス、必要部分きちんとコストかけたのがレコード、不必要に金かけたのがスーレコ。
でもアルテは10でデュラが20、性能的にはアルテで充分だと云われてるけど別設計で倍額のまるで別物。
それは人生で一度はデュラ使ってみたいでしょ、ローディーとして。
今までも6800なら何度かチャンスはあったんですが、やっぱその時に考えるのは、
「いや、ここでアルテにしたら、デュラは一生なしで終わるよなあ。」
ま、リンダはそんな事よりもどう乗りこなしてやるかのほうがずっと大切だったし。 
あのじゃじゃ馬ちゃんをシートピラーで手なづけることに成功したのはようやく去年のことでしたからね。
あとはアリーシャの嫁入り時だったけど、結局ホイール買えないからって秘蔵のコーラス使っちゃったしね。
んで、去年一年の懸案であったボーラがついに手に入ったワケだから、一番似合うリンダに使ってあげたいのは旦那の甲斐性でしょ。
さあ6800か9000か。 冷静に考えてオイラの使用法なら6800に何の不足も不自由もない。
でもでもでもでも物欲でいえば積極的に6800が欲しいワケではない。
いわば必要に迫られての6800だ、それってカタルシス的にどうなんだ?
だがだがだけれんど。 たかがコンポだし。 同じ金かけるんならホイールやフレームのほうが全然楽しいぜえ。
いや、でも、だが、また、うーむ、んにゃ、ぬうう、ぐおお、ふぎぎぎぎ・・・・・・・
日中の理性の働くうちは6800、んでも残業でぐったりしてくると9000がむくむくと頭をもたげ、
帰って一杯やるころには9000しかないだろ!になり、翌朝起きるとキレイにリセットされて6800に戻る、が延々十数日。



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しかし、この脳内論争にトドメをさしたのが9100系のウワサ。 いやあ、ないよなあ。 9100はないわ。 
9000のリークのときに4アームがカッコワリイ、ありえない、絶対イヤダってさんざん騒いでた奴等とは違うけど、9100はないの。
まあフロントシングルの画像が出たときには既に組み付け終了してたんであれは関係ないけどw
はあ?フロントシングル? ないないないない、無理。 そんな大刻みはありえないもの。
1ケタの上りから70オーバーの下りまでですよ? たった11段で刻めるほど人間がよくできてるなら、そもそも2x8速以上いらないの。
まああれは冗談であろうことはわかるけど、それ以前に現実にやってくるのは何だ? と考えると。
ディスクブレーキ対応。 これはもう絶対でっせ。 
ロードレースで解禁にした今年、一番売りまくりたいブツがデュラグレードで出てこないはずがないでしょ?
エンド幅は当然変わるし、そうなるとキャリパー式だけ130mmってのはどうだろう? あるかあ?
エンドが変わったら今までの機材は全てリセットですからね。 そりゃどうなの? 
だったらいっそ現世代で完結させちまったほうがねえ、あと10年乗るとしても充分ですから。 完結してしまえば、ですが。
秋には新型が出てくるですよ。 そう考えるとですね、今が「純度の高い」レーシングコンポーネントを手に入れる最後のチャンスでしょ。
そう考えちゃったら、ねえ。 完結させないと。 清水ダイブくらいしちゃっちゃうよねえ。 するよねえ。 ねえ。




さてさて。 そんなこんなで手元にやってきた最後の果実、実際に使ってみてどうなのか、だが。
予想はしてました。 どういうモンなのかは。 試乗会なんかでちょろっと使ったりはしたことありますし。
だから6800でいいだろうということも思ってたんですよ。 そうでしょう? いいでしょう? わかるでしょ?
シマノさんがアルテの倍の値札をつけてまで求めたものは、DENZIさんが望むものではありませんですよ。
どちらかっつーとDENZIさんの欲しがるものを徹底的に排除したのがデュラエースだと思うんだけんども。
だからこそストイックなリンダさんに似合うんだけんども。 いや、似合うよねえ。 似合うの。 すごいよねえ。 すごいの。
だって特価77.700円のアルミフレームなのよ、リンダさん。 9000デュラとボーラウルトラ乗せて何ら位負けしてないんだから。



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組む前に、「デュラはいいよお、カンパなんかよりずっと。」と言われたけども。
どこが? と聞くと「変速は速いし、ブレーキは効くし。」と。 いやあ、そんなの当たり前だろ、だから?と思ってました。
オイラが欲しいのは、変速の気持ちよさ、ブレーキの自在さ、だから。 そして、何よりもクランクの官能、だから。
変速? いやー、すごいですねえ。 105と比べてもレバー軽いわ踏んだ瞬間確実に変わってるわ。 でもそれだけ。
あのカンパのギアが跳んだ瞬間の、キィン! とかないの。 チャ。 チャ。 チャチャ、チャ。 変わって当然太郎。
でも当然のことを当然にされて、そこに喜びは? 「変速の喜び?ハン!」 と鼻で笑われるけども。




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ブレーキ? そこまですごいかね? わからんわ、下りでフルブレーキとかも試してはみたが。
ブレーキの良さは極限状態にならんとわからないもん。 「うわ、絶対転ぶ!突っ込む!!」を回避させてくれるコントローラブルさ。
クリアな路面でタイアロックするまで握ったってそんなモンがイイとかの判断材料にはなんないからさ。
だからブレーキの評価ってのは出来ないんだよねー。 肝冷やすまでガマンしてから掛けられないから。



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んでまあ、クランクの官能。 皆さんはコンポーネントでどこを重要視するのかな? やっぱりディレーラーですか? 
そうですね、ほら、完成車がミックスコンポだった時、1グレード上げられてるのはたいていリアディレーラーだもんね。
あそこに105って書いてあるかアルテグラって書いてあるかってのは購買意欲にかなり影響あるんでしょ?
そしてブレーキかな? ミックスではたいてい社外品がついてるけど、訳知りショップが「シマノに変えなさい!」って声高に言う。
もしくは105で乗ってるのにブレーキだけアルテやデュラにする「わかっている」奴等も多い。
でもね、重要なのはクランクでしょ? 変速もブレーキも、クランク踏んでる時間に比べたらずーっと短いもの。
そのクランクの踏み心地がコンポーネントで最も重要なトコなんだと思うんだけんどもね、オイラは。
さてそのデュラ様のクランクは? 
「ああなるほど、やっぱりそうか。」 ですな。
すごいの。 確かにすごいの。 でもすごいんだけど想定内なの。
数字で表すと、105が効率98%だとすると、アルテがたぶん99%で、デュラは99.8%な。
ケタが違うし、世界中で誰もそれ以上の効率を作り得ないんだろうし。 だから世界一なんだけど。
でも、100%は作れないんだよね。 9100が出たら99.9%、その次は99.94% その次は99.97%、99.98%、99.985%・・・・・・・・・
決して100%にはならないの。 人のつくるものだから。
でもね、レコードのクランクは102%だぜ。 踏んだときに、「えっ?!」ってなるから。 「何だこれ?!」って、「嘘だろ?!」ってなるから。
決して100%にはならないという理性の部分を裏切るから、「えっ?!」なんだ。 魔法なんだ。
本当は99%か98%なんだろう。 計測器にかけて測定すればそうなんだろう。 でも。
レコードのカーボンクランクは人を騙してくれる魔法のクランクだ。 もしかして100%を超えてるんじゃないかと夢を見せてくれるんだ。
かけてないのに加速する魔法のクランク、カンパニョーロ・レコードと比べたら、
精度が一桁違うかのような完璧クランク、デュラエースも滋味っちゅうか官能にかけるんだなあ。 
ま、もともとその官能と感じるような部分を徹底的にそぎ落とす思想で進化してきたんだから、
最新のデュラには滋味など皆無で当然なんだよな。



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ほんじゃま、ただただ効率を追い求めたパーフェクト・コンポはヘンタイとは相容れないんでしょうかね?
うーん、それがですねえ。 この組み合わせで本気で踏んだときに光り輝きやがったんですわ。
ご存知リンダさんはリンダシステムとまで言わしめた徹底高効率での機動に全てを捧げた一途スパルタンな気性。
そしてボーラも悪魔の素といってもいい、履けば即ヨメを悪魔に変貌させる、ヴァンパイアーなレーシングホイール。
この二つが協調してオイラのごとき貧脚に本気を求めたら、そりゃ官能なぞとほざく余裕は皆無。
己の全てを差し出して、穴があいたかのように減っていくライフゲージを感じながら、それでもオールアウトまでもがき続けるワケですが。
そんな時、アウター×14,15,16をチャ、チャ、チャと行ったり来たりするのに、一切の無駄がないデュラクオリティの有難味を感じます。
わずか0.3%でさえ無駄にせず前に進む力にしてやりたいと望む時、デュラは初めてそのポテンシャルを有効にできるのでしょう。
全身の細胞全てを前に進むためだけに働かせるとき、ようやっとデュラエースを踏む資格が、意義が見えてくるのでしょう。
精緻を極めたレーシングコンポーネントを、遊びなんぞに使っては罰が当たります。 
遊びを排して本気で踏んで初めて、デュラ様のおわす地平に上がることができるのでしょう。




シマノ・デュラエース9000は、この25年ほどをかけて磨き上げられてきた、
エンド幅130mm、キャリパーブレーキのレーシングコンポーネントの究極の形として、後世に語り継がれる名機となるでしょう。
この規格と共に走ってきた一介のローディーとして、やはり手にせずにはいられない。
50を過ぎたオイラがあとどれだけ走れるかを考えるならば、もうこの規格と心中するもよし、
もし新しい規格に手をだすのならば少なくとも数年後、まったく別のものとして1から始められる。
そう考えるとアルテではなくて無理してでもデュラとしたのは間違いではなかったかと。
さてこの先、このお堅い高嶺の花はオイラごときに心を開いてくれるのか? じっくりとお付き合いしたいと思うのです。
よろしく、デュラエース様。
by denzia | 2016-03-12 23:40


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